膜構造の建築空間における夏季の熱放射環境に関する実測調査

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発行年 2007年
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タイトル 膜構造の建築空間における夏季の熱放射環境に関する実測調査
著者 吉野達矢、親川昭彦、梅干野晁、嚴泰潤、小川俊輔
概要 本研究では、屋外に開放的な膜構造建築物に着目して、その膜下空間に形成される夏季の熱放射環境の特性を、太陽放射領域の短波長放射(波長域0.3~3μm)と常温域熱放射の長波長放射(波長10μm 前後)を中心とした実測調査によって検討した。その結果、①日中には、膜材料(日射反射率74%,日射透過率12%、日射吸収率14%)の表面温度上昇に加え、膜材料を透過した日射が地面や壁面に吸収され、それらの表面温度が上昇し、風の弱い晴天日における膜下中央部(h=1.2m)の平均放射温度は,外気温より4℃も高くなることを把握した。②夜間には,膜材料の表面温度は外気温またはそれ以下になるが、膜下空間の地面や壁面の表面温度は日中に地面や壁面に吸収された日射熱が大気放射冷却によって放散され難いため、それらの表面温度は膜下空間の気温より高く、早朝でも膜下空間の平均放射温度は2℃程度高い値を示した。