物理歪の概念を用いた膜構造の非線形解析

詳細内容
発行年 1987年
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タイトル 物理歪の概念を用いた膜構造の非線形解析
著者 鈴木俊男
概要 本報告は膜構造物の大変形挙動を精密に把鍾するための方法として、従来の幾何学的非線形解析で多用されているGreen歪のかわりに、物理歪を用いた膜構造の非線形解析法について検討したものである。この物浬歪は、Green歪のように数学的に定遺産された歪でなく、物理的意味を考慮して定義されたものである。物理歪を用いた解析では、Green歪による解析と比較して非線形項の取扱いが容易となる。また物塑歪の意味が、直感的な歪と合致しているので非常にわかり易い。しかし、物理歪による解とGreen歪による解との差は、歪が大きくなると顕著になる。本論文では、まず一般曲率線座標で表現された物理歪を定義した後、物理歪とGreen歪との関連性を調べた。次に仮想仕事の原浬を用いて、非線形項の省略がない非線形釣合い方程式の誘導を試みた。また、本論の簡単な応用例として内圧を受ける完全球形膜構造の解析を行い、荷量-変形関係がGreen歪 を用いた場合と全く反対の傾向が生じることを示した。さらに、内圧を受ける部分球型膜の解析を、Rayleigh-Ritz法を用い、Green歪による解および弾性膜模型を用いた実験値との比較を行うことから、その適合性を調べた。